強く賢くなろう~池部秀則のブログ

前向きになれる言葉を探して

人は話し方が9割

令和で一番売れている本

らしい。本の帯にある。これは信用していいだろう。

永松茂久『人は話し方が9割』(すばる舎)

斎藤一人さんが「シゲのところでは…」という書き方をされていたから、あるいは書店に行く機会は多いから知っていた。が、また就活をしなければならないから、買ってみた。

なるほど、これなら売れると納得した。意外に、いや思った通り内容に特に目新しいことはない。しかし、かなり具体的に突っ込んだ書き方をしてある。「どこまで本音のところを書こうか迷ってしまう」ともある。著者も悩んでいるのである。
凄いのはおまけの量。
【図解】人は話し方が9割 人に好かれる人の口ぐせリスト
【幻章】人は話し方が9割
【特別音声】人は話し方が9割・・・・など10くらついている
これはデカい。画像・文章・音声があるから、定着が容易である。
少し前に『夏休みに308万円稼いだ小学生』のことを書いたが、「安く売るのではなく、特典を付けることでスペシャルな感じを持たせるのが望ましい」とあったが、これを具現している。

買う価値はある本だ。人間関係に悩んだら本書を手に取ってみてはいかがだろうか。いろんな価値観と人生があっていいのだと、そういう気持ちにさせられる。
書籍そのものというよりこんな企画があったのかと。出版社もよくやった。
・・・・・・・ここまでは買った直後に書いたこと。
 
ただし、難点がある。
人を褒める言葉として「やっぱり」を推奨しているが、
「あなたはやっぱり出来る人なんですね」
は確かに良い言葉である。
が、逆に
「拓朗ってやっぱり間抜けだな」
は、強烈なけなし言葉になる。期待感が最初から持てないということである。

「やっぱり」の促音便が、聞いている側には痛い。
「やはり」が望ましい。

お待ち申し上げております→待ってます 
差し引きします→差っ引きます

慌てて言った結果が促音便の始まりなので、どうも収まりが良くない。

本書の文例より
・やっぱりここが一番落ち着くわ。
図書館も喫茶店もいいけど、ここが一番落ち着くわ。

・やっぱりすごいなあ。
以前から思っていたけどすごいなあ。

例えば、高校野球の試合後のインタビューで
「やっぱり勝つことを目的にしていたんで、うれしいです」
「自分がキャプテンなんでやっぱり打ちたいという気持ちで打席に立ちました」
「相手打線を抑えてくれたんで、やっぱりウチはエース次第です」
と短い時間の中で繰り返す選手がいる。
選手だから許されるが、もしも監督が「やっぱり」を繰り返すと安っぽい感じになる。
ここは気をつけたい。